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技術情報 鍛造用語集

鍛造用語集【ま】

曲り矯正鍛造部品や熱処理部品の曲り不良を真直に矯正すること。
マクロ組織肉眼又はルーベ(倍率10以下)で観察した金属組織。巨視的な見方でみる組織のため、顕微鏡で観察する極微の組織と違って、広い範囲にわたって観察し得るので、製品の品位を検査するのに適している。化学組織の分布、鍛流線、樹枝状晶、気泡などを検出するのに広く応用されている。
マニプレータ材料をつかみ、上げ、下げ、前進、後退、回転などの操作を助ける装置。大物や危険物などの移動や取扱い(ハンドリング)を行わせる装置で、手動式のものから各種自動制御式のものまで多く利用されている。特に自由鍛造における自動化や型打ち鍛造の工程間ワーク移動に威力を発揮している。
マルテンサイト鋼の焼入れ組織の1つ。α鉄はほとんど炭素を固溶しないが、炭素を固溶したオーステナイト状態から急冷すると、セメンタイトが出来る時間がないから、結晶格子だけはα鉄と同じ体心立方に近い格子に変わり、しかも、無理に炭素を固溶した状態となる。これをマルテンサイトという。炭素がα鉄に無理に押し込まれたものであるため、結晶格子に著しいひずみが生じ、硬くなる。顕微鏡的には針状をした組織である。オーステナイトよりも密度が小さいため、オーステナイト→マルテンサイトの変態に際して著しく膨張し、焼割れの要因となる。
マンネスマン効果丸鋼片を、マンネスマン圧延におけるように、一対の穿孔ロールの間で回転させながら、繰り返し半径方向に圧縮力を加える際、丸断面の中心に、引張り応力が圧縮力に対して直角方向に生じ、穴が開こうとする傾向。クロスロール工法では、この応力のためにマンネスマン孔という内部欠陥が生じることがある。
ミクロ組織顕微鏡で10から1000倍ぐらいに拡大した金属組織。微視的な組織であり、熱処理品質、結晶粒度などを検査するのに利用される。
密閉型鍛造工程の終了時に、材料のほぼ全表面が上下型によって拘束されるように構成された金型。密閉型では、上下型のクリアランスを適切に設定することが重要である。クリアランスが小さ過ぎると型かじりが発生し、大き過ぎると上下型の間に縦ばりが生ずる。また、密閉型を使用する場合には、素材の質量管理を十分行う必要がある。過大であると成形荷重が大きくなり、金型を破損したり、機械プレスがオーバーロードになったりすることがある。
密閉鍛造完全に密閉された金型インプレッション内で、材料のほぼ全面を型表面によって拘束し、金型のすき間から余分な材料をばりとしてはみ出さないようにして行う鍛造。材料歩留りの向上などのために多く採用されているが、型の弾性変形、プレスの呼吸量又は中ばり等で、切断質量のばらつきを吸収する必要がある。そのために材料切断質量は厳しく管理する必要がある。
ミルシート鋼材検査証明書のこと。鋼質試験、機械試験の成績が記載されている。
無酸化加熱炉品物が酸化しないように不活性ガスなどの雰囲気中で加熱する装置。
もみ割れ伸ばし作業において、材質、加熱温度に対して加工度が大き過ぎる場合、マンネスマン効果によって中心部附近に沿って発生した割れ。

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